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CBDでヘロインの渇望感は軽減するのか?

ある短期間おこなわれた研究で、医療用のカンナビジオール(CBD)がヘロイン使用障害の人から薬物への渇望感と心理的不安を軽減させたことがわかった。

2019.05.21
Can CBD Help Reduce Heroin Cravings? Researchers Think So
written by Shawn Radcliffe from Healthline

大麻草に含まれるカンナビジオールという成分は、人のヘロインへの渇望感を抑えるために有効かどうか研究が進められている。
photo by Getty Images from the article

マリファナと大麻に含まれる非向精神成分であるカンナビジオールはヘロイン中毒の治療に有効だと、新たな研究が論じている。

CBDとしても知られる医療用のカンナビジオールを服用したヘロイン使用障害の患者は、ヘロイン投与の1週間後まで、ヘロインへの渇望感と心理的不安を軽減した。

「私たちの発見は、CBDがヘロイン使用障害の人を治療するために大きな見込みがあることを示す」とシナイ山依存症研究センターのディレクターを務め、この研究の著者であるヤスミン・ハード博士は、あるプレスリリースにて述べている。

「オピオイド(麻薬性鎮痛剤)でない成功的な薬は、既存の中毒薬リストに大々的に加えられるだろう」

食品医薬品局(FDA)によって認定された、メサドン、ブプレノルフィン、およびナルトレキソンなどのオピオイド依存のための現在の薬は、渇望感を減らすことによって同様の方法で機能する。

「渇望感が再発の一因となると考えられているため、渇望感を軽減できる方法があれば、おそらく再発を減少させることができるかもしれない」と、神経科学と人間の行動を研究するジェーンアンドテリーセメル研究所のUCLA大麻草研究イニシアチブの研究員であるジバ・クーパー博士は述べた。

メタドンとブプレノルフィンはどちらもオピオイドの一種である。つまり、処方は厳しく規制されている。ナルトレキソンはCBDと同様にオピオイドではない。

CBDは渇望感と不安を軽減させた

この新たな研究では、ハード博士と彼の同僚は過去にヘロイン使用障害を起こしたことのある成人42人を集めた。彼らは前回のヘロインあるいはオピオイドの使用から、ほとんど1ヶ月も経っていなかった。しかしながら、彼らは検証に入った際にヘロインの急性禁断症状を示さなかった。また彼らは現在、FDAが認定した3つのオピオイド使用障害のための薬のうち1つの継続治療を受けていなかった。

この研究では、被験者はヘロインまたはニコチン以外の何らかの向精神物質を使用することを禁じられていた。

研究者らは被験者を800mgのCBD、400mgのCBD、薬効のないプラセボの3グループのうちの1つに振り分けた。彼らは3日間連続で1日1回、経口投与で服用しました。研究者たちは今後2週間かけて被験者を観察した。

被験者が最後に投与をしたあとの3つのセッションでは、被験者は自然などのリラックス動画や静脈に薬物を投与する画像や薬物使用に関係する器具などの薬物に関連する動画を見せられた。そのセッションの別の時間では、研究者らは心拍数やコルチゾール値など、被験者のオピオイドへの渇望感、心理的不安、ストレス反応を計測した。

被験者がおこなった最後の投与から7日後、CBDを服用した人は、動画の中での薬物関連のサインへの反応の中において、より低い渇望感と心理的不安を感じた。

2つのCBDのグループでは、渇望感や心理的不安に大きな違いは見られなかった。

また、動画の中での薬物関連のサインへの反応において、CBDのグループの被験者のストレス反応は、CBDを服用しなかったグループの被験者と比較して、より低い結果となった。

この研究は5月21日にThe American Journal of Psychiatryにて発表された。

可能性のある治療法だがさらなる研究が必要だ

2017年、47,000以上のアメリカ人がオピオイドに関連した薬物の乱用で命を落としていると、国立薬物乱用研究所は述べている。これは処方されたオピオイドや、ヘロイン、フェンタニル、メサドンを含む。

いくつかの研究は、慢性的な痛みを抱える人々に対して、処方されたオピオイドの使用を減らすための医療用マリファナの効果を説明してきた。

しかし、この新しい研究はCBDがオピオイド使用障害にどのように役立つ可能性があるのかを調べた最初の研究である。

「これはまさに、オピオイド使用障害の治療にプラスアルファとして役立つカンナビジオールの潜在的な効用について扱う未来の研究において、正しい方向へのステップだ」とこの研究には携わらなかったクーパー博士は語った。

しかしながら、ハード博士はこの研究は小規模で、研究者らは1週間しか被験者を観察していないと指摘した。

また、この研究の中でのCBDの使用は、普通の店舗や大麻草を扱う薬局で買えるような「月並みの」カンナビジオールではない。

研究者らはEpidiolexというFDA認定を初めて受けた、大麻草からできた治療薬を使用した。市場に出回っている他のCBDとは異なり、Epidiolexは確かな濃度と純度で知られている。

CBDがより長く人を清潔で保たせることに役立つかどうか、他のグループにおいても機能するのかどうか、より多くの研究が必要とされる。

「次のステップでは、最近に禁欲状態またはオピオイド使用障害のための治療をしているグループの中で、カンナビジオールがこの渇望感を軽減するのを助けるのかどうかを確かめることになるだろう」とクーパー博士は言った。

オピオイド依存症に対する既存の治療も効果はある

薬物依存症を研究し治療するアルベルト・アインシュタイン医科大学の研究者であるシナゾ・クニンガム医学博士は、この発見は「興味深い」とし、CBDのオピオイド使用への影響は研究に値すると述べた。

しかし彼女はCBDの可能性を、さらなる研究でそれが有効であることを確認した上で、既存の治療法の補助として考えている。

「私たちが依存症を適切に治療する他の薬を手に入れることができれば、それは確かにプラスだと思う。しかし私はCBDについて、メタドン、ブプレノルフィン、ナルトレキソンなど、私たちが効果を発揮すると知っているものの代わりに使われるものとしては考えたことがない」と、この新しい研究に関わっていなかったクニンガム博士は語った。

クニンガム博士はまた、既存の治療を効果があるものとして考えている人々にアプローチするためには、さらなる研究がおこなわれることが必要だと指摘した。

国立薬物乱用研究所によると、2012年、オピオイド依存症治療プログラムを受けた人のうち28%しか薬物療法を申し出ていなかった。

「現在、私たちはオピオイド使用障害の治療のために、3つのFDA認定薬を扱っている。この問題は薬物治療が効かないということではなく、人々が薬物治療を選択していないというところにある」とクニンガム博士は語った。

結論

今日発表されている新しい研究は、CBDとしても知られる医療用のカンナビジオールを使い、ヘロイン使用障害の患者のヘロインへの渇望感や心理的不安を、最後のCBD投与から最大1週間にわたり軽減をさせたことを示した。

しかしながら専門家らは、メサドンやブプレノルフィンのように、証明されたオピオイド治療の選択肢として推奨される前にさらなる研究が必要だと述べている。オピオイド依存症の人はまた、まず第一に、治療を受けるにあたって問題を抱えている。

国立薬物乱用研究所によると、2012年、オピオイド依存症治療プログラムを受けた人のうち28%しか薬物療法を申し出ていなかった。


この記事は Healthline Media の記事を翻訳しました。