アメリカ

USDA顧問弁護士見解:州はヘンプ輸送を禁止することはできない

2019.05.29
USDA General Counsel Opinion: States Can’t Prohibit Hemp Transportation
written by Eric Miller from Transport Topics

2018年4月オレゴン州で受粉したヘンプ。USDAの顧問弁護士であるステファン・ヴェイデン氏は、政府によって承認されたプログラムにおいて栽培されたヘンプの製品について、州はその州間輸送を禁止することができないと述べた。(Associated Press)

USDAの顧問弁護士によって出された新たな法的な立場の表明する声明によると、現在、州とインディアン部族はヘンプの合法的な製造や販売を2014年農業法下で規制することができる限りは、彼らはUSDA(アメリカ農務省)による承認を受けたプログラムで栽培された製品の州間輸送や積み荷を禁止していないかもしれないという。

ステファン・ヴェイデン氏の5月28日の声明は、12月のドナルド・トランプ大統領による署名2018年の農業法改正に際して殺到した質問に応えるためのものだった。この新しい法律は非麻薬性のヘンプをスケジュールⅠの違法薬物リストから外し、州はヘンプの州間輸送を許可しなくてはならないと、その規定を明確にしている。しかしながら、USDAは新法に基づき、規制に関するガイドラインをいまだに作成しておらず、法執行機関と自動車会社の間で混乱を生んでいる。

よく産業用大麻としても語られる合法的なヘンプは大麻草の仲間であるが、マリファナの向精神効果の原因であるテトラヒドロカンナビノール、通称THCの高い含有量は見られない。

新たな法律があってもまだ、いくつかの州当局はそれらの州間輸送されるヘンプの積荷を押収や没収することを検討している。彼らは、2018年農業法による規制がいまだ存在しないため、その積荷を押収する機関をまだ設けていると主張している。2018年農業法に対するUSDAの暫定最終規定は8月に、2020年のシーズンに向け発効されることが予想される。

ヴェイデン氏の法的な意見書では、彼はその混乱を解消する方法を模索している。

「この意見書は2018年農業法のヘンプに関する条項について、2つの重要な側面を強調している。まず、2018年の農業法案は、ヘンプ生産を規制する法律(州間輸送を除く)を制定また執行する州とインドの部族の権威を保持しており、これは連邦法よりも厳重なものである」とヴェイデンは述べている。

ヴェイデンの意見書はUSDAが今後進む方向を示していると考えられるが、最終的な決定は裁判所によってなされる。

「その意見書はUSDAがどのように産業用大麻に関する規制の制定を前進させるかについて、少し明確にした」とAmerican Trucking Assoaiation(アメリカトラック運送協会)の労働安全衛生マネージャーであるアビゲイル・ポッター氏は語った。「しかしながら、第9巡回区控訴裁判所(サンフランシスコ)ではまだ進行中の訴訟がある。しかし、ここATA(American Trucking Assoaiation)では、私たちはまだ非常に用心深いままでいる。ヘンプの州をまたぐ取引をする会員には、担当のカウンセラーと連絡を取り合い内部で会話をすることを推奨している。

ヴェイデン氏は彼の声明の中で、当局が輸送されているヘンプの積荷に介入した2つの特定の事件について掘り下げている。

最近のケースでは、アイダホ州ボイジー近くでの薬物取引の逮捕と6,700ポンドのヘンプの押収が第9巡回区控訴裁判所によって審理されている。連邦微罪判事は警察を支持し、荷物の所有者であるBig Sky Scientificによる予備的差止命令の要求を退けた。問題の荷物はオレゴン州で栽培され、コロラド州へ輸送中だった。

2013年、コロラド州スプリングフィールドのヘンプ畑にて1人の女性が立っている。ヴェイデン氏の意見書はドナルド・トランプ大統領が12月に署名をした2018年農業法に関しての矛盾を明らかにした。(Associated Press)

「実用的には、2018年農業法は産業用大麻を、マリファナと区別した上で農産物リストに追加し、連邦政府が定める規制物質リストから除いた」アイダホ地区の最高裁判事であるロナルド・ブッシュ氏は述べた。「2018年農業法は産業用大麻を連邦法が定める規制物質から除外したが、州やインディアン部族はいまだに産業用大麻を州法や部族法において規制物質としているかもしれない。アイダホ州は産業用大麻とマリファナを区別していない。つまり両方ともアイダホ州法においては規制物質となっている。」

ヴェイデン氏は裁判官の判決について「説得力がない」と語った。

「USDAはBig Skyの事件の当事者ではない。そして、2014年農業法に基づき合法的に生産されたヘンプの出荷に関する微罪判事の推論には同意しない」とヴェイデン氏は書いた。

しかしヴェイデン氏はウェストバージニア州南部のある事件の判決には賛同した。その事件はケンタッキー州からウェストバージニア州へ出荷されたヘンプ種子が使われた、ウェストバージニア州のパイロットプログラムで栽培されたとされるヘンプの押収をめぐるもので、2018年にアメリカ司法省の民事訴訟にまで発展した。

その事件において裁判官は、栽培者に対する予備的差止命令を解消し、被告らが加工および販売のために州境を越えてペンシルベニア州にヘンプ製品を輸送することを許可した。

Commercial Vehicle Safety Allianceの副理事長であるエイドリエン・ギルディー氏は、既存の州法と、産業用大麻の輸送を合法化する新しい連邦法との間の矛盾が、路上検査官による新しい法律の執行を困難にしていると述べた。

結果として、CVSA(Commercial Vehicle Safety Alliance)は、ヘンプ事業部会の委員を選出している最中だとギルディー氏は語った。

「ヘンプ事業部会の目標はその状況を観察し、適切な場合には、検査を担当する機関にそれらの荷物や積荷をどのように取り扱うのかのようなガイダンスが供給することだ。多くのことは、訴訟のいくつかがどのように行われるかにかかっているので、現時点では漠然としたようなものだ」と彼女は述べた。


この記事は Transport Topics News の記事を翻訳しています。