アメリカ

そのヘンプシードは「ゴミ」か?品質基準の必要性

2019.06.14
Good Hemp Seed or ‘Garbage’? Growers Say Standards Needed
written by Gillian Flaccus from The Associated Press

photo by the article

【オレゴン州オーロラ=AP】小麦の単位はブッシェルと呼ばれ、ジャガイモの標準重量はセンチュリーと呼ばれる。しかし、アメリカの合法的な農産物としてのヘンプは非常に新しいため、ヘンプ種子(ヘンプシード)の単位に関しては、まだ普遍的な名称や量の取り決めがない状態だ。

これは、昨年末に米国が規制物質リストからヘンプを削除して以来、ほぼ一晩にして発展した業界において、均一性そして責任感が驚異的に欠如している例の1つだ。

初期のヘンプの品種に関するアメリカの国家審査委員会や、全国の数少ない種子認証プログラムと相まって、オレゴン州で木曜日(2019年6月13日)に発表された世界ヘンプ研究所は、それらの問題を解決することや世界市場に対するアメリカのヘンプの標準化によって責任感を生むことにおける初の試みである。

「もしたくさんの金融市場を見たとき、それらはみんな『人々はこの産業に投資するが、何によってそれを分類するのかがわからない』と言っている」と語るのは、オレゴン州立大学の新たに創設されたグローバルヘンプイノベーションセンターの所長であるジェイ・ノラー氏だ。「私たちはヘンプの繊維を持っている。でもそれがどんなもので、どの長さが基準になるのか?」

オレゴン州の研究機関はアメリカ最大規模となり、農家が買うヘンプ種子が適正で合法的なものであるという認証を提供する予定だ。現在1粒のヘンプ種子が1.20ドルから1.40ドルの間で取引されており、それは非常に重要なニーズだと言える。そして1エーカー分の収穫は最大2,000種子になる、とノラー氏は言った。

アメリカでヘンプ産業を推進・観察をするVote Hempによれば、ヘンプ栽培に適した理想的な気候であるオレゴン州において、認証済みのヘンプ農地の作付面積は昨年から6倍にも増えており、オレゴン州はヘンプ栽培においてモンタナ州、コロラド州に次いで第3位となっている。

また、ノースダコタ州、コロラド州、テネシー州、ノースカロライナ州の4州でも、ヘンプ種子の認証プログラムはある。ニューヨーク州イサカにあるコーネル大学のような他のアメリカの大学にも研究プログラムはあるが、オレゴン州立大学は、中国、ボスニア、セルビアの試験場でおこなわれてきた長年のヘンプ研究によって構築した経緯もあり、国内最大規模の研究機関となると見られる。現在では州全体に10の研究ステーションが点在している。木曜日(2019年6月13日)には、オレゴン州立大学の研究員らは、オーロラの農地で彼らの3回目となる種まきをおこなった。

グローバルヘンプイノベーションセンターは、市場が爆発するにつれてヘンプを中心とした国内インフラを構築するように、より大きな動きと連動している。世界的に見て、ヘンプの供給は需要の10%以下であり、それがオレゴン州のような州に対して国際的なマーケットプレイスでの主張を活発にすることを駆り立てている、とノラー氏は語った。

Vote Hempによれば、アメリカ全体では、認証済みのヘンプ農地は2017年から2018年にかけて204%の成長を遂げたという。また、カンナビジオールあるいはCBDと呼ばれるヘンプ由来の抽出成分の市場は、健康補助剤としての人気が急上昇していることもあり、6億1800万ドルだった2018年から、2020年には220億ドルになることが予想される。

ヘンプの品種に関するアメリカの国家審査委員会は今年の秋から、ヘンプの特定の遺伝的品種の信用を主張したい生産者からの申請の受付を始めるだろう。生産者が審査委員会から独自の任命を得ると、連邦政府に植物特許を申請できるため、他の生産者はその品種のヘンプを生産することができなくなる。

今年の7月上旬に、中国のハルビンでおこなわれる会議では、世界中のヘンプ産業で活躍する人々が一堂に会し、ヘンプ種子の単位やヘンプ繊維の長さの基準など、重要な詳細を取りまとめる、とノラー氏は語った。また、中国などの他の国は、すでに数年間ヘンプを栽培しているが、業界として、国々が貿易の際に普遍的に使用できる規格や標準は欠けていると加えた。

「それまで禁止されていた植物が突然解禁されたというのは、アメリカの歴史の中で初めてのことだ。こんなことは今まで一度もなかった」とノラー氏は言った。

トレイ・ウィリソン氏のようなヘンプの生産者は、急成長する市場で透明性を高める方向への動きを賞賛した。

種を売る種子を売る初心者農家の中には、ヘンプとして合法的に市場に出すにはTHC濃度が高すぎる「ホット」な大麻草に成長する種子を、密かに、さらには無意識に販売する業者の餌食になってしまう人もいる、と彼は言った。

ヘンプとマリファナは両方とも大麻草の仲間だが、THC含有量は異なる。連邦法下では違法であるマリファナは、微量以上のTHCを含む品種だと言われている。一方、ヘンプはTHCをほとんど含まず、アメリカ連邦政府が定める基準である0.3%未満のものである。

ヘンプのプログラムを持つ州は、THC濃度の検査をおこなっているが、そのタイミングは作物が成長し収穫が終了した後である。そして検査によってヘンプのTHC濃度基準を超えた作物は確実に処分される。不良の種子を持っている農家は、手遅れになるまでそのことを知らずにいる可能性がある、とウィリソン氏は語った。

昨年の一例では、あるオレゴン州の種子販売業者がCraigslist(クレイグスリスト)上で、CBDとTHCを3対1の割合で種子を販売した。農家がそれに気づくことなく流通されたが、そのTHC濃度は依然として高く、合法ではない値だったと彼は言った。ヘンプ栽培が農業として進行しているウィスコンシン州の複数の農家は、その種子を購入してしまった結果、検査で「ホット」であると判断され、それまでの努力が水の泡になった、とウィリソン氏は語った。

その種子は「他と同じように見え、そして、何かが間違っていると感じたとしても、その年の4ヶ月までそれらを区別することができない。たくさんの農家が失敗し、それはオレゴン州で始まった」と彼は言った。

他の販売業者は、彼が「ゴミの種子」と呼んでいる種子の値段を1,000倍にも引き上げたとウィリソン氏は言った。彼は、オレゴン州の市場にマリファナの過剰供給したことでその事業をやめた後、ポートランドから約100マイル(160km)南のスプリングフィールドでUnique Botanicalsを設立した。

「多くの人が『あなたの種子は認証済み?』と聞くのだが、そんなのは今のところ存在しない。検査もないし、監視もない。現時点では、その種子がどこから来たものなのか証拠もない」と彼は言った。

「彼らはこの問題に取り組もうとしている。今はまだ始めたばかりだが、必ず、この矛盾に対して何らかの対策をするだろう」


この記事は The Coeur d’Alene Press の記事を翻訳しています。